WEB3DARCHITRIP
コレクション / No. 09 / Margaret Esherick House
Pl. 09 — インタラクティブ点群背景+建物モデルインストール不要 · クロスデバイス · VR対応
No. 09 · 1961

Margaret Esherick House

Louis Kahn · Philadelphia, United States

マーガレット・エシェリック邸は、ルイス・カーンが1959〜1961年、書店主マーガレット・エシェリックのためにフィラデルフィアのチェスナットヒルに設計した住宅で、カーンが生涯に完成させた九つの住宅のひとつである。寝室ひとつの2階建てという簡素なプログラムの中に、空間の序列と自然光をめぐるカーンの哲学が凝縮されている。2,500平方フィート(約230㎡)の規模で、コンクリートブロックにスタッコを塗った陸屋根の構造をもち、長辺を通りに沿わせた長方形の平面である。

平面は家の前後を貫く2層分の高さの帯が四つ交互に並ぶ構成で、カーンの「サーヴド・スペース(奉仕される空間)」と「サーヴァント・スペース(奉仕する空間)」の概念に従う。サーヴド・スペースの中心は、施主の職業を映す造り付けの書架が立つ吹き抜けの居間であり、階段・設備・バルコニーといったサーヴァント・スペースが合間の帯に挟み込まれる。独特のT字型の正面窓は下を隠し上を開いて、プライバシーと開放感を同時に獲得し、可動式の鎧戸と対をなす。森に覆われた公園へ向く背面の窓は、2層に積まれた鎧戸のパネルとともに内外の境界をぼかす。

台所はマーガレットの叔父で木工芸家のウォートン・エシェリックの作品で、木と銅を編み合わせた機能的な芸術品である。木の蓋を滑らせて閉じると暖炉脇の腰掛けになる埋め込み式の浴槽も彼の手になるものである。しかしマーガレットは入居からわずか数か月後の1962年に世を去り、カーンが1962〜1964年に新たな所有者候補のために描いた増築案は実現しなかった。2016年には原形を守る修復によって設備と建具が現代化された。

2023年、アメリカ合衆国国家歴史登録財に登録された。ロバート・ヴェンチューリの母の家(ヴァンナ・ヴェンチューリ邸)と同じ界隈に建ち、フィラデルフィアのミッドセンチュリー建築遺産の一翼を担うこの家は、今も個人住宅である。

建築家
Louis Kahn
竣工
1961
所在地
Philadelphia, United States
類型
Residential
メディア
Web3D · WebVR