No. 02 · 1927
Maison Cook
Le Corbusier · Boulogne-Billancourt, France
メゾン・クックは、アメリカ人ジャーナリストのウィリアム・クックとフランス人の妻ジャンヌの依頼により、1926年に着工し1927年に完成した住宅である。ル・コルビュジエが従兄弟のピエール・ジャンヌレとともに設計したこの家は、パリ郊外ブローニュ=ビヤンクールにおいて、彼の唱えた「建築の五原則」——ピロティ、自由な平面、自由なファサード、水平連続窓、屋上庭園——をはじめて完全に実現した建物のひとつに数えられる。
空間の序列は、伝統的な住宅の順序を逆転させる。ピロティで開放された地上階の上、2階に寝室や浴室といった私的空間が置かれ、3階には暖炉を挟んで2層吹き抜けの居間と食堂が、最上階には屋上テラスへ開く書斎が載る。鉄筋コンクリート構造に鋼とガラスを加え、基準線(トラセ・レギュラトゥール)でファサードを整えた。コンクリートの造り付け棚、壁に埋め込まれた裸電球の照明、曲線の階段が内部の印象を決定づけている。
ピロティの下に開放されていた地上階は、のちに部屋を増やすため一部が塞がれた。1960年代と2003〜2004年の二度の修復を経て、1972年からはファサードと屋根がフランスの歴史的記念物として保護されている。1920年代にル・コルビュジエが重ねた集中的な建築的実験を物語る建物である。
メゾン・クックは今も個人住宅であり、内部は公開されていない。それでもなお、サヴォア邸のような後のアイコンへとつながるモダニズム設計の決定的な参照点であり続けている。
- 建築家
- Le Corbusier
- 竣工
- 1927
- 所在地
- Boulogne-Billancourt, France
- 類型
- Residential
- メディア
- Web3D · WebVR