No. 05 · 1932
Neutra VDL Studio and Residences
Richard Neutra · Los Angeles, United States
リチャード・ノイトラがロサンゼルスのシルバーレイク貯水池に面した敷地に、自らの家族の住まい兼スタジオとして建てたこの複合住宅は、1932年の原棟(VDL I)、1939年のガーデンハウス増築、火災後1964年の再建(VDL II)という三つの段階を通して、建築家の歩みをそのまま映し出している。「VDL」の名は、1932年の建設資金を無利子で貸したオランダの後援者C・H・ファン・デル・レーウの頭文字に由来する。
家全体がノイトラの「バイオリアリズム」哲学の体現である。水盤と反射面、戦略的に配された窓が、60×70フィート(約18×21m)の狭い都市の敷地の中で空間が広く見える錯視をつくりながら、プライバシーを守る。日除けのルーバー、水冷式の屋根、小さな寝室を視覚的に広げる鏡の壁といった工夫が随所に潜んでいる。
1963年の火災で原棟とノイトラのアーカイブが失われたのち、リチャードは息子のディオンとともに、残った地階の上に家を建て直した。ローズウッドのフォーマイカや金色の熱反射ガラスといった新しい材料を取り入れ、水を巡らせた微気候装置を備える、宙に浮くペントハウスのサンルームのような実験も加えた。
現在はカリフォルニア州立工科大学ポモナ校(カルポリ・ポモナ)が管理し、一般向けツアーに公開されている。数十年の使用を経てもなお当初の設えの9割以上が残り、持続可能な都市居住の概念をめぐる生きた実験室の役割を果たしている。
- 建築家
- Richard Neutra
- 竣工
- 1932
- 所在地
- Los Angeles, United States
- 類型
- Residential
- メディア
- Web3D · WebVR